「ロジャー」という「カタカナ」を見つけるたびに、あっとかおっとか思っている人がいるに違いない。「ロジャーラビット」だっているし、「ロジャークレメンス」だっている。でもロジャーは「ロジャーニコルズ」だろうとう人がいるはずだ。かくいう僕もその一人だ。
当時、80年代後半に再発された「ロジャニコ」を聴いて、それを上回るアルバムなんて存在していないと核心した。そして、好きだったサザンオールスターズを蹴散らし、ポータブルのキャリングCDケースの中で、マルコスヴァーリと競りながら持ち運びCDの一軍として数年君臨し続けた。
そのグループが40年ぶりにセカンドアルバムを出すという。
一瞬、美しい思い出をそっとしておいてくれという気持が沸き起こった。
発売日に購入、デモ・テープみたいな軽いサウンドで、あわてて「停止」ボタンを押しそうになったけれど、
1曲目「トーク・イット・オーヴァー・イン・ザ・モーニング」のサビで紛れもなく「ロジャニコ」だという気持にさせられた。
そして名曲「ザ・ドリフター」、感涙する。この年でまだ見たことのないものがあると歌う「ドリフター」がとても良い。
晩年の復活コンサートみたいなノリでなくて、新曲という感覚で十分聴けた。
満足のいく内容だったけれど、もし神様のように何でも出来るなら、
デカロ様に戻ってきていただいて、この「フル・サークル」のアレンジをお願いしてみたかった。
「Love so fine」みたいな強烈なアレンジをして再びブレイクさせてくれるのではないかと思う。