たぶん世の中の流れに影響されてってのもあるけど、
ビートルズとかストーンズよりもビーチボーイズを聴いてる回数の方が最近、断然多くなっている。
ペットサウンズ以降の名盤としてこの「フレンズ」はすっかりソフトロックの名盤としての認定を受けているけど、当時はビーチボーイズが売れなくなってきた節目のアルバムだったそうだ。
封入されているライナーノーツによると、この時期、ニューヨークで行ったライブには200人しか集まらなかった。何曲もの全米1位を取ったグループが、そんな状態なのはなかなか想像できない。
でも、当時アメリカは泥沼のベトナム戦争に突入しているし、ケネディは暗殺されている。
どんどんアーティストは時代性のあるメッセージを求められて、職業的な作曲家は減少して、次はシンガソングライターの時代だ。
彼らだって、そういうのを背負っていたと思うけど、ご機嫌なだけのサウンドというレッテルというかイメージってのは簡単には覆らないんだろう。
でも、もちろん彼らの音楽は停滞していなかった。
僕は後追いファンなので、どれどれっていう感じで購入。
1曲目の「メント・フォー・ユー 」は半アカペラでスタート、これは気持ちいい。
タイトル曲の「フレンズ」も良い出来。何度も聴ける。
作りこんでない分、ソフトな感じ。
すごく仲の良い友達と色々とおしゃべりしているような
まさにフレンドリーなアルバム。
さらに、インストの「passing by」が波間に揺られているような気分になる。
この曲が一番のお気に入り。
短距離走を全力でトレーニングしてて、息抜きに軽く1500メートルを走ってみたら、あっさり好タイムが出たなという感じがする。
ビーチボーイズがどんどん評価される世になりつつある中で、
この1枚の存在は大きいと思う。
これは通しで1枚聴けますが、オススメするなら①②⑥⑦そして⑪。
ボーナストラックのウォーク・オン・バイもわりとツボ。