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フィーリン・グルーヴィー / ハーパーズ・ビザール

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feelinggroove
ソフトロックにおけるベストグループと断定できるハーパース・ビザールの67年にリリースされた1枚目のアルバム。

元々はメンバーがビートルズのようなサウンドを目指して「ティキス」というバンドで65年から66年まで活動し、数枚シングルを出していたところへ、契約していたレーベルがワーナーに買収されます。そこで担当になったプロデューサーのレニー・ワロンカーが発売前段階で聞いたサイモン&ガーファンクルの「feeling groovy」を気に入り彼らに歌わせることになったとか、メンバーはこれを酷い曲だと思ったらしいが、このレオン・ラッセルがアレンジした「Feelin’ Groovy」はあれよあれよとビルボードチャートで13位まであがってしまうことになる。(※イギリスのチャートで34位)出したついでにジョン・ピータースンとういドラマーも参加させて新メンバーも追加し、バンド名雑誌の名前をもじって「ハーパーズ・ビザール」とし、アルバムが急遽製作されることになりました。

ここでレニー・ワロンカーがひっぱってきたのが、まだ無名の状態だったランディーニューマンやヴァン・ダイク・パークスやペリー・ボトキン・ジュニアという作曲家、アレンジャーの面々です。正直、メンバーよりも豪華布陣。今でこそみんなビッグな人たちという感じですが、当時はまだ売り出し中の若手みたいなもの。このレニーワロンカーという人が、博打うちの感覚をもっているのかmすごい眼力をもっているのかといえば、両方だったということになります。そうして、後にワーナー・ブラザースの本社ビルが建てられたハリウッド郊外の地名にちなんで、バーパンクサウンドと呼ばれることになる凝った音作りが開始されます。古き良き音楽の印象を残しつつ、サウンド自体は斬新で新しいという不思議な音楽。たった1週間のレコーディングだったそうですが、用意された曲、特にランディーニューマンの曲の出来の良さにメンバーが驚いたとの話が残ります。

まずは「Come to the sunshine」から、カリスマ的存在のヴァンダイクパークスの作です。他に本人が歌ったものもあり、(恥ずかしながらまだ聞いてない)これは2thシングルになりました。続いてロンジェも歌っていた「ハッピートーク」、これだけドリーミーならちびっこコーラスもいらない感じです。とにかくボーカルを担当していたディック・スコパトーンとテッド・テンプルマンの声はまさにソフトな歌い方で、複雑なハーモニーもそれほどなく(ほとんどの場合がユニゾンで歌っている)歌い上げるということがありません、歌もアレンジの一部のように聴こえますが、簡単に見えてもこんな風にやろうとしても、たぶんできません。続いてレオンラッセルアレンジの「Come Love」と「RASPBERRY RUG」ときて、例の「Feeling Groovy」でA面が終わります。

B面は実質ランディー・ニューマンの面です。まず「The DEBUTANTE’S BALL」は作詞作曲、アレンジ、ついでにピアノもランディーニューマン。続く「Happy Land」もランディーニューマンの書き下ろし。「Peter and the wolf」と「I can hear the darkness」はそれぞれロン・エリオット、レオン・ラッセルの担当ですが、ラスト曲の名曲「サイモンスミスと踊る熊」は、ランディ・ニューマンが、それまで真似をしていたキャロルキングのイメージからからようやく脱却して、納得のいく曲が書けたはじめてのものだというのをどこかで読んだ事があります。ニューマン本人が歌うヴァージョンもよいが、このハーパースビザールのも悪くないです。誰が歌ってもこの曲は「素敵な感じ」になりますが、ハーパースがやるとマジカルな感じがぐっと加わります。あぁキリンジのも良いですよ。

アルバムはさすがに、とりあえず集めましたという感が若干あるものの、全体としてイノセントな感じとナチュラルな仕上がりで出来がとてもよくとっても楽しいアルバムです。メンバーやスタッフやミュージシャン達は、ものすごく意気込んだはずですが、そう聴こえないのがハーパースの魅力の一つです。コンピレーションアルバムのようにさらっと聞いたり、アレンジの妙を楽しむこともできるでしょう。「RASPBERRY RUG」とか「I CAN HEAR THE DARKNESS」とか「サイモンスミスと踊る熊」とかはほんと、CDがレーザーで穴開くんじゃないというぐらい良く聞きました。

ハーパースビザールのおかげで、曲とこの時代のスター作家、名アレンジャーの名前をたくさん覚えることが出来るのもこのグループの良いところです。
ソフトロックビギナーがまず買うべき1枚でしょう。

ちなみに、ボーナストラックには「ティキス」時代の曲の「Bye Bye Bye」と「Lost My Love Today」の2曲が入っています。

1. COME TO THE SUNSHINE
2. HAPPY TALK
3. COME LOVE
4. RASPBERRY RUG
5. 59TH STREET BRIDGE SONG (FEELIN GROOVY)
6. THE DEBUTANTE S BALL
7. HAPPYLAND
8. PETER AND THE WOLF
9. I CAN HEAR THE DARKNESS
10. SIMON SMITH AND THE AMAZING DANCING BEAR
11. バイ、バイ、バイ* Bonus Track
12. ロスト・マイ・ラヴ・トゥデイ* Bonus Track

メタル&ハードロック→70'Sロック→90'Sロック→50'Sジャズ→90'Sジャズ→クラシック。ある意味、優等生的に順序良く音楽を聴いて来たのに、 なんでか、ここに来て→60'S~ポップスの世界へ埋没・・。名残にも埋没 「ソフトロック・カフェ」を夢見る人の音楽紹介ブログです。

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